副腎疲労・適応障害

 

現代社会で生活する私たちは、日々様々なストレスの影響を受けています。寒さや暑さなど気候の影響によるものや、文明社会のIT化によるテクノストレス、人間関係、将来の不安・・・などその要因は様々です。これら(ストレス)による影響は、私たち人体に備わっているホメオスターシスシステム(免疫系・内分泌系・自律神経系の相互作用)と言う恒常性維持機能により、常にバランスが整えられています。

 

人それぞれストレスの受け方は違い、常に前向きでくよくよしないポジティブな方と、「タイプA」と呼ばれる、何事にも完璧を好んですぐに悩みがちな方とでは、大きくストレス反応は異なります。

「タイプA」の特徴としては

1.短時間にできるだけ多くのことをやろうと精力的に活動する

2.競争心が強い

3.短気で敵意や攻撃性をもつ

4.自分への評価や承認・地位にこだわる

5.多方面の仕事に没頭していつも締切に追われている

6.せっかち

これとは対照的に、穏やかでゆったりした行動パターンを「タイプB」と呼びます。

 

現代ではストレスによる影響から心身共に不調を訴える方が多く、中でも心の風邪と呼ばれるうつ病は、現在日本人の10人に1人は症状を持っていると言われるほどです。その中でもこの症状にかかりやすいタイプをを先ほど述べた「タイプA」と呼ばれる性格の方なのです。

 

人体(生体)はストレスに遭遇すると、どの様な反応を起こすのでしょうか?私達は、危険な場面に直面した時など極度な緊張をすると、心臓はドキドキと拍動が高まり、目は大きく見開き、身体も危険に立ち向かうために無意識に身構えます。これは緊急反応と呼ばれ、先に述べたホメオスターシスシステムによるものです。

 

まず、自律神経系の交感神経の緊張が高まりその情報は副腎髄質と言う器官を刺激します。そこからアドレナリンと言う神経伝達物質が放出され、肝臓に蓄えているグリコーゲンを分解して全身の筋肉にブドウ糖を供給し、ストレスに対する準備を行ないます。さらに、脳下垂体前葉という所から、副腎皮質刺激ホルモンと言う神経伝達物質が放出され、その標的である副腎皮質が刺激を受け、糖質コルチコイド(ステロイド)を放出します。結果、血圧や心拍、血糖値は上昇し抵抗力が上昇します。心臓のドキドキするのはこのためなのです。

 
しかし、この糖質コルチコイドは、胃酸の分泌を促進し胃を保護しているムチンと言う粘液成分の分泌を抑制する働きもあるため、この反応が過剰になると、胃や十二指腸に潰瘍が出来てしまうのです。ストレスを強く感じると、胃がキリキリ痛む方もいらっしゃる事でしょうが、これはストレス反応によるものです。

 

これはストレスの3つの様相反応のひとつとされ、他にリンパ系や胸腺が萎縮して 免疫力が低下したり、副腎皮質が肥大します。これらの反応は、ある特定のストレスに対しては有効な抵抗を示すようになるのですが、人それぞれ持つ抵抗力にも限界があり、次第にストレスに適応反応を維持する事が出来なくなるのです。

 

人体がストレスに対して適応しきれなかった場合に現れるものが、心や身体に現れる「適応障害」と呼ばれるものです。これは、副腎皮質の疲労によるもので、アジソン病や、ある臓器に影響が起こることによる高血圧や腎臓病、リウマチ、虚血性心疾患、糖尿病(ストレスで高血糖になります)、うつ、倦怠感、痛み、痺れ、睡眠障害、胃腸障害などの慢性疾患などです。

 

※妊活においてもこのストレス反応による副腎疲労は妊娠率や卵子の質などに影響があると考えられています。 交感神経優位は身体を緊張させ内分泌(ホルモン)やや循環、呼吸といった生理機能が低下します。)

 

免疫革命で有名な、安保先生の提唱されている「福田・安保理論」では、「交感神経緊張状態が病気の原因である」とし、身体がリラックスした状態の「副交感神経優位が、自然治癒力を高める」と言っているように、ストレスと治癒力との関係は密接なのです。

 

副腎疲労、自律神経の諸症状、適応障害でお悩みの方、お気軽にご相談ください。

もう大丈夫です。

 

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