潰瘍性大腸炎とクローン病

~潰瘍性大腸炎とは?~

大腸の粘膜にびらん(ただれ)や潰瘍ができる病気です。下痢や血便に始まり、進行に伴い粘膜や膿が混ざった粘血便、下腹部痛、発熱、倦怠感、貧血、多重減少などが現れます。これらの症状は「寛解」、「再燃」を繰り返すとされます。再燃は避けられず生涯にわたる医療管理が必要とすることから、厚生労働省により1975年に難病(特定疾患)に指定されました。

~治癒反応のプロセスとは?~

1. 今現在有力視されているのは「免疫反応異常説」
(腸管免疫が正常に機能しないことが発病に関与していると言う考え)

2. 交感神経緊張緊張状態による(顆粒球による)組織破壊。

3. 増加した顆粒球は死ぬ間際に大腸の粘膜に到達し、活性酸素を放出して粘膜を傷つけられ、結果、粘膜にびらんや潰瘍が形成されるのです。

4. 若い人ほど自然治癒力が旺盛で、傷ついた体を治そうと、交感神経に傾いている自律神経を副交感神経へ一気に戻し、蠕動運動を促して大腸に詰まった内容物を下痢と言う形で排泄しようとします。

5. 副交感神経が優位になると血管が拡張して血流も回復して、傷ついた粘膜の再生が促進されます。

6. 5.の過程で、知覚神経を過敏にしてプロスタグランジン(プロスタグランジンについて詳しくは炎症反応を参考にして下さい)の産出が高まるため腹痛が起こります。

 7. 顆粒球の死骸である「膿」を排出するため粘血便も出てきます。

 ~難治化の原因とは?~

 1. 現代医学では、治癒反応で伴う不快な症状を悪玉と決めつけ、消炎鎮痛剤(ペンタサやサラゾピニンなどの「腸溶解性のアミノサリチル酸」)や炎症を抑えるために「ステロイド」を処方します。

 2. 1.はいずれも交感神経を緊張させて、治癒に必要な「プロスタグランジン」の産出を抑制し、顆粒球も増え、活性酸素による組織破壊が拡大するため病気は難治化していきます。<顆粒球の増加が原因の病気に対して、顆粒球をふやす治療では難治化して当然と考えます。>

  ~クローン病とは~

 潰瘍性大腸炎と同様の経過をたどって難治化しています。小腸を中心とする消化管の粘膜に炎症が起こり、潰瘍が出来たり消化管の内腔が狭くなったり、腸壁に穴が開く病気です。

 症状として、発熱、腹痛、下痢、血便、体重減少などを伴います。小腸は「リンパ球のテリトリー」のようなところで、顆粒球は侵入できません。そのため、小腸に生息するマクロファージが炎症を起こします。治療には消炎鎮痛剤、ステロイドのほか、免疫抑制剤(アザニン、イムランなど)が用いられます。

 ~対策としては?~

 潰瘍性大腸炎・クローン病ともに、最終的に薬から離脱していく事が治癒で必要になるでしょう。(注意:お薬の使用方法は必ず医師の指示の元に使用する事。ご自身の考えで増やしたり減らしたりしない事)炎症の勢いが強く患部の狭窄が進んでいる場合は一定期間の使用はやむ得ません。

 食事が取れるようになったら早期に服用を見合わせます。(必ず医師の指示を頂く事。)服用を止めると、抑えられていた症状が一気に噴出するため、初めの2~3日は激しい下痢や腹痛が起こるが、これを過ぎると1週間ほどで炎症はおさまるでしょう。<この期間、脱水症状が起こらないよう水分を十分補給して下し。>

 ステロイドを使用している人は、使用期間に応じて、半年から一年くらいの間に何度かのリバウンドを繰り返します。症状も激しいので、【医師の管理下で薬を減らしていきます】

 過労や精神的なストレスが引き金となるため、内、外的ストレスを遠ざけるように心がけて下さい。自律神経のバランスを整える工夫(軽い運動やストレッチなど、血流をよくする)をするようにして下さい。

鍼灸治療はこれら潰瘍性大腸炎やクローン病に一定の効果があるとされています。

臨床では特にお灸は免疫のバランスを保つ作用があり症状の安定には有効です。

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