肩こり

肩こりはあって当たり前の症状で病気には入らないと思っている方が大半だと思いますが、肩こりは初期の身体からの危険信号であり、何もしないでほっておいて症状が進行すると肩こりが原因で発症する様々な疾患になる事があります。

 

それは、高血圧や筋緊張性頭痛、消化器系等の内科的疾患や、頚椎のヘルニアや変形性頚椎症、肩関節周囲炎(五十肩)等整形外科的疾患や眩暈、耳鳴り、難聴、視力低下など眼科耳鼻科疾患、うつ病や不眠など精神神経疾患などが挙げられます。



しかし、肩が痛いからといって肩を揉めば症状が良くなる、というものではありません。

 

専門知識の無い者が揉んだり叩いたりする行為は、そのときは気持ち良いかもしれませんが、翌日悪化したり筋肉がだんだん硬くなり、その行為自体が悪化を招くことにも繋がります。

頚部や肩の筋肉が原因ではなく他に原因がある場合(例えば狭心症では左肩が痛くなります。慢性的な疾患や頚椎に奇形など)もありますので、専門家に診てもらう事が懸命と言えるでしょう。

臨床現場では、患者さんからはどうして肩が凝るのですか?とよくたずねられます。実は現代医学では肩こりの発生機序は明確にはなっておらず、筋肉の持続緊張であったり、その疲労感、倦怠感などの疼痛が密接な関係によって発症すると考えられています。

臨床的には、長時間の姿勢保持などによる筋緊張や肉体的及び精神的疲労による疲労物質の蓄積や血液の循環不良、又は神経系の圧迫、そして自律神経からきていることが多いです。

発症部位としては、「僧帽筋」の上部繊維と「肩甲挙筋」がその主役で、肩背部にある菱形筋や上後鋸筋、頚部にある胸鎖乳突筋や斜角筋、頭板状筋など後頚筋群が関与しています。これらの場所を触診してみて、凝り(筋硬結)や圧痛、筋繊維の張りやつっ張り感など筋肉に負担があり発症している場合、肩背部や頚部への施術で痛みや違和感の軽減や緩和はしますが、これらの部位の神経支配は副交感神経が関わっているため、根本改善には自律神経の調整が必要になります。

肩こり等の「凝り」交感神経を亢進させ、反対に副交感神経を抑制させるため、免疫系や内分泌系にも影響を及ぼし、症状を放置すれば不定愁訴群として全身症状に発展する場合があります。そのため、臨床では肩こりでご相談頂いた患者さんの大半が主訴以外に頭痛や不眠、食欲不振などの症状を伴っています。

 

自律神経の乱れ→交感神経優位→神経領域での反応が身体に生じる→肩のこり→交感神経を亢進→免疫力低下など→不定愁訴の発症→肩こりの悪化→悪循環のループ

 

当院では、局所は勿論診させて頂きますがその症状が発症している原因を追究し、自己治癒力を最大限発揮できるようにするため、全体を診させて頂いています。全体とは、お身体だけではなく内的な心や精神の状態も含め、それらの状態改善も重要視しています。そして、受診後は症状良くなっても数日後には元通りになってしまわないように、自宅で行えるセルフケアや食事療法等の指導も行っています。

肩こりは万病の元です。何だか調子の優れない方やもうすでに我慢している方、又は未病治のために当院で心と身体のケアをしてみてはいかがでしょうか?

お気軽にご相談下さい。

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