頚椎症性脊髄症

■症例報告■

90代後半の女性。既往歴は頚椎症性脊髄症。首下がり症候群、頚部痛、腰部痛、拘縮、変形、関節痛、神経痛、痺れ、、など高齢で全身に症状があります。膝関節痛で立位動作、足指の変形による疼痛と足底の痺れで歩行(介助有・サークル型歩行)が、困難になってきていました。

■施術■
YNSA(山元式新頭針療法)、鍼灸治療、オステオパシー、機能訓練

■診断■
『YNSA』
合谷診(左④>右)
上腕診(左右頚、左右脳幹)
首診(左右腎、左右肝)

『運動器』
疼痛により特にADLに支障を来しているには、左膝関節(半月板損傷しOpe有り)、足指の第二指。(左右の指が高度に変形し色が黒く変色している)
膝は荷重時に、足指は荷重時と靴が患部に当たると疼痛が発症している。

■施術■
『YNSA』
A点(左右)×各1本
脳幹点×2本
嗅神経点(右腎)×1本
肝点(左右)×各1本
腎点(左右)×各1本

『鍼灸治療』
太衝(左右)×各1本+お灸
太白(右)×1本
足三里(左右)×1本+お灸
局所鍼(左右)×状態により+お灸
上解谿(左右)×お灸
腎兪(右)×1+お灸

『オステオパシー』
クラニアル・筋膜リリース

『機能訓練』
ROM、立位、歩行

■施術後
YNSAを併用すると循環が早く改善され体温が上がっているのを感じます。(手足も温かくなっている)

筋緊張や疼痛自体が緩和されており、鍼を行っていない部位の拘縮や変形による疼痛、拘縮自体も症状が緩和されており、手指や肩関節へのROMも行いやすい。(患者さんが痛みを我慢するような事は無く楽に行える。)

■経過■
左膝関節痛は緩解し立位動作がスムーズになっています。(患者さんは痛みがあまり気にならなくなったと)。歩行時に足指の疼痛は左側は殆ど無く右側が少し残存するが歩行に支障はありません。楽に歩けるようになった、歩くと気持ちがいいと歩行が楽しそうです。

加齢以外に日中は全て車椅子生活のため身体的に苦痛が多いことでしょう。歳だからもう無理だろうと諦めることはありません。

患者さんのように長期で痛みを我慢してきている方は痛みを脳や脊髄、膜が記憶しているため、痛みがある局所であったり膜や経絡で遠隔治療を行ってもある程度の緩和ができても思うような結果がでない事がよくあります。

そこで脳血流量を増やす事とドレナージ(廃液)を行う事、そして交感神経を抑制し自律神経を安定させる事は慢性疼痛に対し有効と言えます。(そのため私は鍼灸治療以外にもYNSAやオステオパシーを取り入れています)

何事も年齢に関わらず想いがあれば自分らしく生きることができますよ。想いに勝るものはない、私はそう思います。

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